8月6日(木)に、豊川保健所健康支援課並びに生活環境安全課の職員の方を講師としてお招きし、熱中症並びにノロウイルスへの対応について、職員全員で現職研修を行いました。
まず、熱中症については、熱中症の起こる仕組みとその症状について学びました。熱中症は、その症状の程度により、Ⅰ度からⅢ度までの3段階に分類されます。比較的症状の軽い分類Ⅰ度では、風通しの良い涼しい場所に移動させ、衣服を緩め、生理食塩水を飲ませる等で対応できます。しかし、頭痛や吐き気、嘔吐等が症状として見られるようになる分類Ⅱ度では、基本として医療機関の受診が必要となります。さらに症状が重くなる分類Ⅲ度になると、死に至る危険性があるということで、すぐに救急車の出動を要請します。講師としてお招きした豊川保健所の方は、現在は誰でも熱中症になる可能性があることを念頭に置き、暑さを避ける工夫をしたり、こまめに水分補給をしたりすることが重要だと教えてくれました。また、水分補給をする際は、塩分やミネラルを加えるとより効果的だとも言われました。
次に、ノロウイルスについては、ノロウイルスの特徴とその感染経路について学びました。特に、インフルエンザウイルスとの比較で、インフルエンザウイルスは室温で布や繊維に付着した場合、8~12時間程度で死滅するのに対し、ノロウイルスは2週間程度も生存し続けるというのは驚きでした。また、ノロウイルスの感染経路の出発点は便や吐物ですが、その吐物汚染実験で、約1mの高さから吐物が落下した場合、半径約2mまで飛散するということ、また、紙や布等できれいにふき取ったと思っても、実際には吐物は残っているという実例を見せてもらいました。実験で使用したのは蛍光塗料の入った擬似吐物でしたが、それが用意されたビニルシートの外まで飛び出していたり、ふき取られた後にブラックライトを当てると青白く光ったりするのを見ると、豊川保健所の方の言われるとおりだと納得せざるを得ませんでした。この実験の後は、吐物処理の実習になりました。使い捨て用のガウンに手袋、マスク、靴カバー、そして、2枚のゴミ袋とペーパータオル、次亜塩素酸ナトリウムの水溶液が用意され、物々しい雰囲気の中で実習が始まりました。実習では、「自分が感染しないこと」と「感染を拡大させないこと」を目標に、吐物の処理と回収、床の洗浄、使用したガウンや手袋等の回収を学びました。なお、それらを行う際には、細心の注意が必要であることもよく分かりました。
熱中症での救急搬送もノロウイルスによる感染拡大も、幸いなことに、まだ本校では発生していません。しかし、豊川保健所の方が言われるように、それらには誰がかかってもおかしくないし、また、可能性は今後、より高まると考える方がよいと思います。そのため、本校では、このような研修を今後も積極的に行い、生徒達の安全確保に努めていきたいと思います。
【熱中症概要説明】 【ノロウイルス概要説明】
【吐物処理実演】 【吐物処理実習】