夢をもつことの大切さ - 2年生「夢の教室」 - 10月21日

  10月21日(水)、2年生を対象とした「夢の教室」が行われました。この「夢の教室」は、JFA(公益財団法人日本サッカー協会)が社会貢献活動として行っている「JFAこころのプロジェクト」に位置づけられているものです。このプロジェクトの目的は、現役やOBのJリーグ選手やサッカー関係者等を「夢先生」として学校に派遣し、「夢の教室」と呼ばれる授業を行うことで、夢をもつことの大切さや仲間と協力することの大切さを子どもたちに伝えることとなっています。

 本年度、「夢先生」として来ていただいたのは、元サッカー日本代表としてFIFAワールドカップに2度出場した秋田豊さんと、J1東京ヴェルディやJ2FC岐阜に在籍していた野田恭平さんのお二人でした。お二人は、午前中の2時間を使って2年B組に、また、午後からの2時間を使って2年A組に、それぞれ「夢の教室」の授業をしてくれました。

 両クラスともに、1時間目は体育館で体を動かしながらのゲーム、2時間目は教室で夢先生による夢トークという構成でした。

 1時間目のゲームでは、生徒達の前には野田さんが立ってゲーム内容の説明し、秋田さんは生徒達に混じってゲームに参加しました。初めに行ったのは、体育館を横断するダッシュをする中で、後からスタートする野田さんに捕まらないようにするというゲームでした。さすがに野田さんはJリーグの選手だっただけあって走るのも速く、誰かが捕まってしまいました。そこで、何とかこのゲームをクリアするために秋田さんがみんなを集め、作戦会議を行いました。会議の結果、クラスで一番足の速い生徒がみんなから遅れて最後にスタートし、逃げ切るという作戦を立てました。この作戦は成功し、その生徒は追いかける野田さんを振り切り、見事、捕まらずにゴールすることができました。次のゲームは、みんなで手をつないでの「だるまさんがころんだ」でした。野田さんがボールを持ち、手からボールが離れるとともに前に出て、決められた線を越えてゴールするというものでした。ルールはとても簡単なのですが、所々でフェイントが入り、それに誰かが引っかかって、最初からやり直しということを繰り返しました。ここで、またまた秋田さんが生徒達に作戦会議の開催を呼びかけました。秋田さんは、生徒達にどうすればゴールできるかを考えさせ、いろいろ発言させました。そして、それらをまとめ、「早くゴールしようと焦るからフェイントに引っかかる。ルールの中には、早くゴールしなければいけないという言葉はない。だから、フェイントに引っかからないよう、少しずつ前に出て、みんなでゆっくりゴールしよう。」と呼びかけました。この作戦は的中し、両クラスとも無事にゴールすることができました。ゲーム終了後、秋田さんは生徒達を集め、「ゲームに限らず、どんなことでも、まず、ルールをしっかり理解して、その中で勝つためにはどうしたらいいかを考えることが大切だ。そのためには、みんなでもっと積極的に話し合わなければいけない。そして、自分の良さをもっと出し、みんなで役割分担をして臨めばきっと勝利は見えてくる。勇気を出して、一歩を踏み出そう。」と話されました。

 2時間目は、秋田さんによる夢トークでした。秋田さんは、小学校から大学、そして、プロとして活躍するまでの道のりを、生徒達に分かりやすく話されました。その話の中で秋田さんは、「中学校の時はサッカー部のコーチが、また、高校の時はサッカー部の監督が、それぞれ自分にサッカーをやるように誘い、勧めてくれた。この人達がいてくれたから、今、自分はサッカーをやっている。人との出会いはとても大切だ。」と話されました。さらに、高校2年の時に、サッカーをやる上で何か武器になるものを持ちたいと思ったことにふれ、「自分は足もそれほど速くなく、ドリブルなどで抜く技術もない。それならヘディングを徹底的に練習して、ヘディングで飯を食う。」と決意したことを話されました。

 秋田さんが大学2年の時、プロとしてのサッカーであるJリーグが始まりました。秋田さんは、「プロになりたい。」という夢をもち、それを実現します。プロになってからは「日本代表選手になってワールドカップに出たい。」と、夢はさらに広がりました。ところが、その夢の途中で、秋田さんは疲労骨折をしてしまい、半年間、試合出場はもちろん、サッカーすらできない状況に追い込まれてしまいました。落ち込んでいた秋田さんを救ったのは、「サッカーができなくなったら、私と一緒に屋台のラーメンでもやったらいいじゃない。」という奥さんの一言でした。この奥さんの言葉に励まされた秋田さんは、けがをしているからこそできることを探しました。それは、サッカーに対する研究、具体的には、ボールを奪うのが上手な選手をよく見て、その動きを頭に入れることでした。こうして復帰した秋田さんは、夢であったワールドカップにも出場することができました。

 最後に、秋田さんは夢をもつことの良さについて、「夢をもつと、目標が明確になり、自分が何をしなければいけないのかがはっきり分かる。それが分かれば、一生懸命がんばれる。」と夢トークをまとめられました。

 秋田さんの夢トークの後、生徒達は夢シートに自分の夢を記入しました。スポーツトレーナーやトランペット奏者、野球選手等、何人かの生徒の発表を聞いた秋田さんは、「夢をだれかに語ることは、とても大切だ。聞いた人はきっと応援してくれる。」と励ましてくれました。

 教室を出る時に、秋田さんは生徒一人一人と握手をしてくれました。この2時間は、生徒達にとって、本当にすばらしい「夢の教室」だったと思います。

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 【 オープニング 】                     【 ゲーム:だるまさんがころんだ 】

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 【 作戦会議 】                       【 秋田さんによる夢トーク 】

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 【 自分の夢の発表 】                   【 秋田さんに歌のプレゼント 】

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 【 記念撮影 】                       【 握手でお別れ 】